1700年神聖ローマ帝国ニュルンベク2ダカットサイズ洗礼メダル【MS62】

表面：洗礼の様子と輝く鳩

裏面：ハンセン病から治癒する様子

鑑定番号:3479125-011

https://www.ngccoin.com/certlookup/3479125-011/62/

重量：約6.9g、2ダカットサイズの金貨です。

まず、このメダルの作者は、自由都市ニュルンベルクで1683年から1712年にかけて公式の彫刻師であったゲオルク・ハウチュです。ハウチュはこの時代に数多くのメダルを手掛けており、その独特で個性的なデザイン、さらには当時のニュルンベルクの歴史的背景もあって欧州では特に高く評価を受けております。

こちらのメダルは洗礼メダルと呼ばれるメダルになります。

「洗礼」とは、キリスト教徒になるために執行される儀礼のことで、水を用いて潔めることを通して、生命の新生を意味する、キリスト教では特別な用語となります。

表面には洗礼の儀式の様子が、裏面はハンセン病患者がキリストの力によって治癒する様子が描かれているそうです。ハンセン病患者は多くの誤解から長きに渡って差別的に大規模な隔離を受けておりましたが、神の力によって治癒されるという神秘を描いています。

人類史上最悪とも言われる三十年戦争の戦地となったニュルンベルクは、戦争によって本当に悲惨な状態となってしまいました。三十年戦争では何と800万人もの死者を出したと言われており、子ども女性問わずたくさんの人々が虐殺されてしましました。戦争が終わり、新しい時代に希望を見出したい！そんな想いのコインやメダルがこの時代にはたくさん作られました。

日本でも大変人気の高いラムダカット金貨がその代表例ですが、こちらのメダルも「愛」と「平和」をモチーフにしたこの時代を象徴する1枚と言えそうです。