古代ローマ帝国のお話② ~英雄ユリウス・カエサル~
ローマ共和政末期の政治家である「ユリウス・カエサル」は日本でも非常に有名な人物です。
簡単に言うと、ローマ「帝政」の礎を築いた人物です。
海外ではJulius Caesar(ジュリアス・シーザー)という名の方が一般的で、英語の7月(July)の語源になっていると言われています。ちなみに8月(August)は初代皇帝アウグストゥスが語源です。
「第1回三頭政治」というフレーズに聞き覚えがある人も多い方思いますが
カエサル、ポンペイウス、クラッススという3人の若者が、元老院に対抗すべくタッグをくんだのがこの三頭政治です。
この3人は非常に個性豊かでして、それぞれ特徴がありました。
ポンペイウス
戦争めっちゃ強い!でも頭の方が弱い、、、
クラッスス
めっちゃ金持ち!ローマの国家予算の半分持ってたとか? でも、ケンカ弱い、、、
カエサル
カリスマ性が半端ない!演説がとにかく上手だったそうです。しかし、女癖も相当でして、ポンペイウスの奥さんやその他もろもろチョメチョメあったとか。ちなみに、薄毛だったそうです。
カエサルはそのカリスマ性で民衆を味方に付け、クラッススから莫大な借金をして賄賂をばらまき、異例の若さで名誉職である「最高神祇官」に就任します。
しかしカエサルは元老院とはあまり関係が良くなく、いじめのような仕打ちを度々受けていました。そして、元老院は言葉巧みにポンペイウスをそそのかし、味方に付けます。
カエサルはガリア遠征でガリアを制圧したのですが、元老院から「執政官になりたいなら武装を解除して丸腰で帰ってくるように」と告げられてしまします。それはローマ帰還後の暗殺を示唆していました。
そして、「元老院最終勧告」という最も厳しい警告を受けることに。
追い詰められたカエサルは、武装した状態で渡ることが禁じられていたルビコン川の前でこう言ったとされています。
武装したまま川を渡りローマ元老院・ポンペイウス対カエサルの内戦が始まります。ファルサルスの戦いでポンペイウスは敗れ、そのままエジプトへ逃げ込みます。
ポンペイウスはその後エジプトでプトレマイオス13世によって殺されてしまうのですが、カエサルはポンペイウスを追ってエジプトへと向かいます。そこで、魔性の女クレオパトラ7世と出会ってしまうのです。
クレオパトラ7世とは、あの有名なクレオパトラです。クレオパトラとカエサルは愛人関係となり、ちゃっかり子どもも作ります(子の名はカエサリオン!笑)
カエサルはその後ローマに戻ると英雄として熱烈な出迎えを受け、終身独裁官という職につき、実質の独裁者となります。
しかし、ローマは独裁を嫌う国家でしたよね。独裁を嫌う共和主義者の元老院議員からカエサルは徐々に狙われるようになります。カエサルはローマ念願のパルティア侵略や、アレキサンドロス大王すらも果たせなかったさらなる東方侵略を目指し、自らを神格化させていきます。
その姿を脅威に感じた共和主義グループから、紀元前44年、ついには暗殺されてしまいます。そしてこの時、暗殺グループの首謀だったのがブルートゥスです。
「ブルートゥス、お前もか」の名言が誕生したのがここです。
このカエサルの死を受け、カエサルの後継者争いと元老院との権力争いが同時に起こる共和政の最終ステージを迎えることとなります。
次回は、カエサルの意思を受け継ぐ2人の男、「オクタニアヌスとアントニウス」のお話です。