皆さんご存じ「雲上の女神」
日本ではトップ3に入る人気があるコインと言っても過言ではありません。
そこで、「雲上の女神」について考察してみました。
【考察①】雲上の女神には、MSとPF(PR)があるが、価格の差はいかほどか?
雲上の女神にはMSとPFがあります。発行枚数は16,000枚で、もともと全てMS発行と言われていますが、MSの中で鏡面仕上げのように綺麗な状態をPF(PR)と鑑定会社が認定しているようです。
MSとPFの価格の違い、ついでにCAMEO付きも見てみましょう。(海外オークション2017年以降抜粋)
鑑定\グレード | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 |
MS | 63万(19.1) 90万(18.4) | 180万(17.9) | |||
PF(PR) | 157万(21.8) 142万(21.8) | 250万(21.9) 210万(21.8) 255万(21.5) 112万(19.4) 146万(17.1) | 255万(21.8) 285万(21.8) 138万(20.1) 135万(19.8) 180万(18.1) 220万(17.4) | ||
MSのPL | 285万(20.5) | ||||
PF(PR)CAMEO | 420万(21.8) 405万(21.5) 146万(20.1) 180万(20.1) | 390万(18.1) | 825万(21.1) 616万(17.4) |
実は最近MSがオークションに出ていないので、少し過去のものになりますが
MS61が2019年1月に63万円、PF61が2019年4月に112万円で落札されてますので、61グレードで約50万の差が出ています。
MS62が2017年9月に180万円、PF62が2017年、18年に180万円、220万円で落札されてますので、62グレードになるとその価格差は随分縮まった印象です。30万くらいの差が出るのが通常なのでしょうか。
最高鑑定のMS63はほとんど出てきませんが、MS63とPF63ならほとんど価格差は出ないかもしれませんね。
また、MSPL(プルーフライク)という珍しい鑑定(MS62PLが3枚のみ)もありますが、これは実質PFと同様のレベルと考えてよさそうです。
【考察結果】
MSとPFの価格差は30万~50万ほどで、グレードが上がるほど価格差は縮まる傾向にある。
MS62PLとPF62は同等と考えて良さそう。MS62PLが一応最高鑑定扱いになるのも関与しているのかも。
【考察②】価格はどのように推移しているのか?
上記の表を見てお分かりの通りですが、雲上の女神の価格は実は上昇一辺倒ではありません。一度価格を落としています。
一番取引の多いPF62で見てみると、
220万→180万→135万,138万→285万,255万
と言った感じの推移です。明らかに一度価格を下げていますね。時期で言うと2018,19年頃のことです。
なぜ価格が下がったのか?それは、需給のバランスが一時的に崩れたからです。雲上の女神は急に注目を集めて価格が高騰したため、保有者が一斉に売りに出した時期がありました。そこで需給バランスが乱れ、安値を付けたのです。
その後需給バランスは安定し、再び上昇基調となりました。タイミングとしては2019年頃に安く買えた方は非常にラッキーでした。
よく、「アンティークコインの価格は上昇し続けている」と聞きます。確かにその通りなのですが、それは、10年20年を単位にした時の話で、1年などの短いスパンで見ていくと多少のノイズ(価格のブレ)は生じます。購入したコインが半年後にもっと安値で売られていたからと言って、安易に売却したり変に焦ったりする必要はありませんよ。
【考察結果】
人気沸騰で急激に価格が上昇し、その後反動で一旦下落したが、再度上昇して高値を更新していきている。
【考察③】今後一千万円級のコインへと変貌していくのか?
もちろん、今後、雲上の女神の価格がどうなっていくかは誰にも分かりませんが、私はその将来は明るいと思っています。
何より抜群の人気があり、一度価格を下げたものの、その後盛り返して上昇しているという点にこのコインの底堅さ・強さを感じます。特に、63以上のグレードはなかなか出てきませんので、ハイグレード品で大台を突破する未来はそう遠くないと私は考えます。
しかし、疑念が無いわけではありません。人気があり過ぎるが故に、「投機的取引の対象」にされると厄介です。最初から転売を目的にコロコロと市場に出回るようになれば、おそらく価格は乱高下します。すでに価格が高いので、大丈夫だとは思いますが。
【考察結果】
いずれ一千万円級のコインへと変貌すると予想するが、短期の乱高下には要注意
【番外編】第2の雲上の女神と言われているコインは?
第2の雲上の女神と言われているコインに「ペルーの100ソル金貨」があります。国内のコイン商の中には考えられないような値段で売ってる所もありますが、実はまだまだ安価で手に入ります。
私個人としてはさすがに雲上の女神まではいかない(むしろブラジルの20000ルイスに近い気がします)ですが、将来有望であることは間違いないと思っています。
私の好きな田中先生がブログを書いているので、詳しくはそちらをご覧ください。
https://www.antique-coin.jp/column/u-65.php