フランスを代表する大型アンティークコインとして、ナポレオン3世の100フラン金貨がございます。
当店でも何枚も販売させてもらったことがありますが、実はこちらのナポレオン3世100フラン、2024年前半頃から少し価格を落としていました。
年度によって価格のバラつきがありますので、代表して最も枚数の多い1869年のMS63の価格推移を見てみましょう。

まず、1869年はパリミントもストラスブールミントも発行枚数が最も多く、ナポレオン3世100フランの中で最も安価で取引されております(他年度よりも2割程度安くなります)。
1869年MS63は今から10年前は50万程度で入手出来ていましたが、2018年頃からジワジワと価格が上昇し、2023年頃には100万円を超えます。その後、2024年前半には一気に130万円ほどまで上昇しますが、そこからはやや調整段階に入り、2024年後半には100万円台にまで価格は下落してしまいました。
ですが、2025年春には再び上昇傾向に入ります。4月には139万円、5月も130万円を超えました。5月は他年度ですがMS65で614万円、MS64で373万円を付けるなどかなりの強さを見せ、ナポレオン3世100フランの完全復活を印象付ける結果となりました!
よく、「アンティークコインは右肩上がりに上昇しているよ~!」と言われますが、決して上昇一辺倒ではございません。良いコインは、多少の上下動をしながら緩やかに上がっていきます。
特に、ナポレオン3世100フランのような枚数が少なくないコインについては、価格の上下は大きくなりがちです。が、こうして下落後はスッと戻すケースが多いです。未来のことはもちろん誰にも分かりませんが、価格が調整が入った際は「絶好の買い場」となることが多いのがアンティークコインです。
日本では今、コインによっては価格が調整に入っているものもございます。
価格が下がっているコインは、「このまま下がり続けるんじゃないか」と思ってなかなか手を出せないものです。逆にそのコインを保有している人は怖くなって売りに出してしまう方もいるでしょう。
しかし、僭越ながら私が少しアドバイスをさせて頂くとすれば
・保有しているコインが下がった時に焦って売らないこと
・質の良いアンティークコインの価格が一時的に下がった時こそ「買い」
この2点意識されますと、より良いコイン投資になるかと思います。
さぁ、次のナポレオン3世100フランになるコインはどのコインなのでしょうか!