憧れの都市景観②~ニュルンベルク~

昨日の続きです。

ニュルンベルク都市景観

続いては自由都市ニュルンベルクの都市景観です。

「自由都市」とは、神聖ローマ帝国などで教会や封建諸侯に属さず、皇帝や国王に市政や商取引の自由を与えられた都市のことで、ニュルンベルクは1219年に自由都市となりました。他にドイツで自由都市はハンブルクやブレーメンなどがございます。

ニュルンベルクはドイツに存し、フランクフルト、プラハ、ミュンヘンのちょうど中央に位置します。ポーランドやオーストリアにも便利な立地にあったことから、古くから貿易や行政で主要な都市として栄えました。

現在もドイツにおいてミュンヘンに次ぐ大きな都市で、2つの塔が高くそびえる聖ローレンツ教会、ペグニッツ川をロマンティックに飾るマックス橋・フライッシュ橋。長い歳月をかけて築き上げられた、ロマネスク様式、ゴシック・バロック様式など数々の壮大なる歴史的建造物を誇る観光地でもあります。

ニュルンベルクは、その良好な立地条件から貿易拠点として栄え、商業・工業、職人による手工業が大きく発展しました。15世紀から16世紀にかけて最盛期を迎え、「帝国の宝石箱」「帝国都市」と呼ばれるほど文化・芸術をリードする存在となります。

しかし、人類史上最悪の宗教戦争と言われた三十年戦争ではニュルンベルクは戦場となり、悲惨な被害を受けました。

戦後は1649年にニュルンベルクで「平和の宴」が催され、敵対していた両陣営がともに何日も祝宴を行い、平和の祝賀ムードを確かめ合った場所でもあります。

こう言った歴史的経緯もあり、「平和の象徴」ともされているニュルンベルク、ニュルンベルクのコインには平和を願うメッセージが込められているものが多く、日本でも大変人気の高いラムダカット金貨などはその代表例になります。

コインに込められた想いを紐解いていくことも、コイン収集の醍醐味ですね。

ではニュルンベルク都市景観のデザインを見てみましょう。

カイザーブルク城、聖ローレンツ教会、マックス橋と、現在も姿を留める壮大な景観が見事に描かれており、上空にある太陽の光は、神の目からみたニュルンベルクという意味が込められています。

昨日紹介したレーゲンスブルクも見事でしたが、ニュルンベルクも惚れ惚れする美しさですね。

最後に、オークションレコードとともにニュルンベルク都市景観のコインをいくつかご紹介します。

ニュルンベルクの都市景観と言えばこれ、バロック大帝と呼ばれたレオポルド1世の時代に鋳造された6ダカットです。同じデザインで5ダカットもございますが、どちらも超高額で取引されております。まさに羨望の逸品ですね。

こちらはフランツ1世の6ダカット、神の目が非常に美しい1枚で、こちらも入手超困難品となっております。

最後は、あの有名なラムダカットの都市景観です。こんなコインがあるのか!って方もいるかもしれませんね。

こちらは1ダカット、2ダカット、3ダカットとありますが、1ダカットすらほぼ見ることはありません。上記は1ダカットのMS63ですが、それでも日本総額650万近い価格で落札されております。2ダカット3ダカットになると数千万円となりますが、どうしても欲しい1枚ですね。