偉大なる女王・エリザベス1世のコイン紹介 | アンティークコインプラネット

アンティークコインを収集する上で、「女王」のコイン、女性のコインは外せません。

イングランドでは何と言ってもエリザベス1世・アン女王・ビクトリア女王・そしてエリザベス2世

イングランド以外でも、神聖ローマ帝国のマリアテレジア、スイスのブレネリ、フランスのマリアンヌ、古代ではアルノシエ2世などなど、それだけで名だたるコインが勢ぞろいします。

今回はその中でも特に「エリザベス1世」と「ヴィクトリア女王」のコインをブログでご紹介したいと思います。

第1回目は、「エリザベス1世」です。

チューダー朝絶対王政全盛期の女王であるエリザベス1世は、イギリス宗教改革を完成させ、重商主義政策をとってイギリス海洋帝国の礎を築いた人物です。

「わたしはイギリスと結婚した」と自ら言っているように政治に一生を捧げたところから「処女王」と呼ばれており、現代でも非常に人気が高く、数々の映画の題材にもなっています。イギリスコインを収集する上で絶対に外せないコインになります。

では具体的にエリザベス1世のコインにはどんなものがあるのでしょうか。いくつか代表的なコインを見てみたいと思います。

エリザベス1世　1ソブリン金貨

ソブリン金貨は、1489年にヘンリー7世が初めて発行した金貨です。

それまで、金貨には直接国王が刻まれることは少なかったのですが、こちらの金貨は玉座に座る国王が描かれたため、ソブリン（君主）金貨と名づけられました。

ヘンリー7世の時代には20シリングと等価とされていたソブリン金貨でしたが、エリザベス1世女王の時代になるとソブリン金貨は更に大型となり30シリングとされ、これとは別に20シリングの1ポンド金貨が鋳造されました。

直径約47mm、重量約15gとこの時代の金貨としては最大級の大きさを誇り、99.5%金のファインゴールドを用いて制作される英国貨幣の最高位に位置する法定金貨で、数あるアンティークコインの中でも最高峰のコインでございます。

当然ながら状態の良いものを入手するには数千万円が必要ですが、残存枚数・エリザベス1世の人気・そして歴史的価値を考えると私はまだまだ過小評価されている1枚だと考えております。手が出せる方は少ないかもしれませんが、入手のチャンスがある方は是非入手して頂きたい究極の1枚です。

【参考オークションレコード】

2022年1月 AU58が1,395万円(84,000$×1.1×@151円)

2020年11月 AU Detailsが677万円(40,800$×1.1×@151円)

状態が良いものが出てくることはほとんどなく、Detailsでも600万を超えてくるようなコインです。MSグレードが出てくれば2000万円台を付けてもおかしくはありません。国宝級の1枚でございます。

前述の1ソブリン(30シリング)のひとつ下の20シリングとして鋳造されたのが、こちらの1ポンド金貨となります。

1ポンド金貨はここ数年かなり人気が出てきており、今まさに価格上昇の真っ最中と言った所でしょうか。重量は11gほどと前述のソブリンにはもちろん及びませんが、美しいエリザベス女王の肖像が描かれていることから満足度の高い1枚です。欲しい方も多いのではないでしょうか。

MSグレードはさすがに1000万を超えますが、AUでしたらまだまだ1000万を切る価格で入手が可能です。すぐに手が届かない所に行ってしまうでしょうから、チャンスを逃さず入手したい1枚です。

【参考オークションレコード】

2022年5月にMS61が1,295万円で(78,000$×1.1×@151円)落札

2021年8月にAU55が797万円で(48,000$×1.1×@151円)落札

2022年11月にMS60が1,456万円で落札

エンジェル金貨はエドワード4世が初めて発行した金貨です。

エンジェル金貨の呼称は、「大天使ミカエル」に由来し、古くはユダヤ教、そしてキリスト教、イスラム教へと引き継がれ、最も偉大な天使の一人とされています。エドワード3世の治世以降の主流であったノーブル貨に代わって採用されたため、「エンジェル・ノーブル」と呼ばれることもございます。

当店でも何枚も販売させてもらったエンジェル金貨ですが、重量5gほどと言うこともあり、まだまだ数百万円で入手可能です。

近年、日本でも知名度・人気が上がってきており、高騰の予感がしています。エンジェルということで幸運も運んでくれそうなこちらのコイン、持っていて損はない1枚だと思います。

【参考オークションレコード】

2023年1月にMS65が757万円で(45,600$×1.1×@151円)落札

2022年1月にMS62が358万円で(21,600$×1.1×@151円)落札

いかがでしたでしょうか。

エリザベス1世のコインは、本当に国宝級のものばかりです。なかなか入手が難しい価格帯ではありますが、一度は手にしてみたい極上のアンティークコインですね(^^)

欲しい！と言う方がいらっしゃいましたら、本気で探してきますので、いつでもご用命くださいませ♪

次回は、ビクトリア女王のコインを紹介したいと思っております。いつになるかは分かりませんが、皆さまお楽しみに♪

店主