最近日本でも本格的に人気が出てきました「チェコスロバキア」の10ダカット金貨、本日は考察してみたいと思います。
発行年度・枚数
チェコスロバキアの10ダカット金貨は1928年~1938年、そして1951年に発行されました。各年度の発行枚数及び鑑定枚数をまとめてみました。
市場に出回っている10ダカットのほとんどは1929年、1931~1934年ものだと思います。
発行枚数が600枚程度の1935年と1936年はまだたまに出てくることはありますが、1930年、1938年、1951年はほとんど市場で見ることはありません。1937年に至っては本当に存在しているのか?というくらいのレベルだと思います。
もちろん希少年度になればなるほど価格は高くなりますが、デザインが同じなので個人的にはどの年度でも良いんじゃないかなと思っています。
デザインについて
チェコスロバキアの10ダカットは非常にデザイン性に優れており、私も最近詳しく調べたのですが、大好きな1枚となりました。
表面に描かれているのは10世紀のボヘミアの大公「ヴァーツラフ1世」です。ボヘミア地方において初めてコインを発行した絶対的な権力者でした。
実の弟によって暗殺されてしまったヴァーツラフ1世は、死後にボヘミア初の聖人、「聖ヴァーツラフ」となります。
現在もチェコの守護聖人として絶大な人気を誇るヴァーツラフ1世は、偉大なる理想の騎士として今もチェコの象徴となっております。
銘文にはNEDEJ·ZAHYNOUTI·NÁM·I·BUDOUCÍM
チェコ語で「我々と未来の人々を守りたまえ」という意味になります。
裏面にはチェコの象徴であるライオン、盾、チェコの国花である菩提樹です。
ライオンと菩提樹を囲むように彫られている文字は
REPUBLIKA ČESKOSLOVENSKÁ(チェコ共和国)と描かれております。
価格推移・今後の将来性は?
やはり皆さんが気になるのはここでしょうか。最もボリュームゾーンにあたるMS64で価格推移を見てみました。年度は1929、1931~34年はほとんど価格差がありませんので、これらの年度から選んでいます。
上記の表を見てもらえばもう何もお話する必要はないかと思いますが、非常に理想的な伸びを見せています。2023年に入ってからはさらに勢いが増している感じを受けます。
1930年頃のコインですので、まもなく発行後100年が経過し、正式にアンティークコインの仲間入りを果たすこととなります。
ヨーロッパの大型10ダカット金貨、そして今はなきチェコスロバキアということを考えると、価格が伸びない訳がありませんね。今後も非常に楽しみな1枚だと思います。
もちろん、このブログを書いたということは、チェコ10ダカットの入荷の予定があると言うことです笑
オークションレコード以下の水準でまたコインをご紹介させて頂きますので、楽しみにしておいてください♪
※ちょうどタイムリーにお客様からこんなご相談がありました。とあるコインディーラーさんから1933年チェコスロバキア10ダカットMS64を745万でご紹介されました、、、と、、
あまり大きな声では言えませんが、百の位が「2」違いますよ、、、
被害にあわないためにも、早く商品ページを作成せなばと思いました。。