イングランドで初めての法定金貨として名高い「ノーブル金貨」
当店でも何点もご紹介させて頂きましたが、今回はこのノーブル金貨について深堀りしてみたいと思います。
王様によって価格差はあるのか?
ノーブル金貨はエドワード3世によって初めて鋳造され、その後たくさんの王のノーブル金貨が発行されております。それぞれ人気・希少性が異なりますので、価格差もあるようです。
まずは、NGCの鑑定枚数を王様ごとに全年度合算してまとめてみました。手計算の為間違いがあるかもしれないことをご了承くださいませ。
これを見ると、エドワード3世のノーブルが突出して鑑定枚数が多いことが分かります。逆に、ヘンリー4世に関しては鑑定枚数は相当に少ないことが分かります。
次に、オークションレコードを王様ごとに簡単にまとめてみました。
最も価格が高いのは当然ながら「ヘンリー4世」のノーブル金貨です。
先ほどの鑑定枚数から見てもお分かりの通り、ヘンリー4世のノーブルは極端に枚数が少なく、希少性が飛びぬけております。2014年にMS63で47,000$で落札されておりますが、もし出てくれば1000万は超えるでしょう。
その他の王を見てみましょう。
特筆すべきはエドワード3世のノーブル金貨が、鑑定枚数が圧倒的に多いにも関わらず若干高値で取引されているということです。
これはやはりエドワード3世のノーブルが1番「人気」であることを示しています。
ヘンリー5世、ヘンリー6世、リチャード2世のノーブルは価格差はほとんど生じておりませんが、鑑定枚数との相関を考えると、シェイクスピアのヘンリー6世が2番「人気」と言えそうです。
また、「エドワード4世」についてはノーズノーブル金貨(ロイヤル金貨)と言って少しタイプが異なりますので、今回は考察から除外することと致します。
ということで、人気希少性ランキングを作成するとしたらこんな感じでしょうか。
価格の推移は?
最もオークションレコードが多いエドワード3世のノーブルMS63のレコードを時系列にまとめてみました。
まさに理想的な伸びを続けております。ザ・アンティークコインって感じの値動きですね ^^)
歴史的意義が深く、希少性・人気の高いコインであれば、こういうストレスフリーな価格上昇が起こります。アンティークコイン投資と言う点で言えば、是非こう言ったコインを購入して頂きたいです。
ただ、ノーブル金貨はコインの状態にも大きく価格が左右されますので、オークションレコードはかなり凸凹しています。もちろん上記は私が説明しやすいレコードをある程度取捨選択して作った表ですので、切り取り方によっては多少見え方は変わってきますが、それにしても凄く綺麗な表が出来上がりました!
ノーブル金貨は今から600年以上前に発行された大変貴重な金貨です。最近はAU、MSで数字付きの鑑定されたコインが当たり前みたいになっていますが、そもそもこんな状態で残っていること自体が奇跡的なコインです。
このような大変貴重な金貨を身近に感じることが出来て本当に幸せです。