前回、古代ローマ帝国初代皇帝のアウグストゥスのお話をしました。
https://antiquecoinplanet.com/202201311-2/
今日は一気にアウグストゥス以降の皇帝を、コインとともに一気にお話したいと思います。
2代目皇帝 ティベリウス帝
アウグストゥスは非常に有能で数々の功績がありますが、後継者問題では苦悩し、仕方なく、奥さんの連れ子であり、血の繋がっていない「ティベリウス」に皇位を継承させます。
ティベリウスはもともと地味で、あまり人前に出ることを好みませんでした。皇帝になってからも半分隠居生活みたいなことをしてましたので、民衆からは全くと言っていいほど人気はなく、血筋もアウグストゥスとは異なることからむしろ嫌われ者の皇帝でした。
しかし、政治家としては真面目で有能、後継者には自分の孫ではなく、ユリウス朝の血を継ぐガイウス(カリグラ)を指名します。人気はありませんでしたが、2代目として十分な功績は残した皇帝だと思います。
ティベリウスのアウレウス金貨は、枚数が結構残っているので割と安価(AU,MSで200万程度)で手に入ります。
ティベリウスの正式名称は「ティベリウス・ユリウス・カエサル」なのですが、ティベリウスの金貨を「カエサル」のコインです!って言って高値で売りつけられそうになったことが初心者時代にあります笑
カエサルというのはそもそも「皇帝」という意味ですので、ローマ皇帝はみんなカエサルっちゃカエサルです、、、
3代目皇帝 カリグラ帝
幼少期に戦場に小さい軍靴(カリグラ)を履いてヨチヨチ歩いていたことから、カリグラ帝と呼ばれています。ユリウス家の血を継ぐ本物の皇帝として民衆からもとても人気があり、皇帝就任しばらくは順調だったのですが、病に倒れてから変貌し、「暴君」となります。
馬を後継者に指名したり、妹と結婚しようとしたり、花嫁奪ったりと、、数々の奇行を行い、あげく暗殺されてしまいます。おそらく病気で精神面をやられたのだと推測されますが、
カリグラのアウレウス金貨は状態の良いものがほとんど残っておらず、かなり高額です(VFでも700万くらい?)
4代目皇帝 クラウディウス帝
クラウディウスはカリグラの叔父にあたる人物で、カリグラ暗殺後、ひとまず皇帝となります。容姿が良くないという理由であまり期待されていなかったのですが、意外なことに皇帝としては十分な手腕を発揮します。水道公共事業を手掛けたり、初めての戦争でブリタニア(今のイギリス)を征服したりと大活躍します。しかし、今まで見向きもされなかったクラウディウスは、急に地位と名誉を得たからでしょうか。「女性」にだらしない一面があったそうです。続々と何人もの女性と結婚をするのですが、自分の姪である「アグリッピナ」と結婚した際に命運が尽きます。アグリッピナは自分の連れ子に皇位を継承させることを約束させたのちに、クラウディウスを暗殺してしまいます。
そんなに人気ののある皇帝ですないのですが、枚数が少なく、結構高い(400万程度)です。
5代目皇帝 ネロ帝
アグリッピナの息子があの「暴君ネロ」です。ハバネロのネロはここから来ています。ローマに詳しくない人も知っているほどの暴君です。
実母のアグリッピナを殺害し、その他にも自分の皇位の座を脅かす存在バンバン処刑していきます。そして64年に起きたローマの大火事の犯人が「キリスト教信者」だとして「キリスト教」を迫害したとされています。この件に関しては真偽のほどは分かっていませんが、歴史はキリスト教信者の影響を色濃く受けていますので、キリスト教を迫害したことによって暴君に仕立て上がられた感も若干あり、実はそこまでの暴君じゃなかったという説もあります。
最終的には命を狙われていることを悟り、自害します。
枚数が残っているので、人気の皇帝ですが200万くらいで入手出来ます。
その後、皇帝が短期間で乱立する混乱の時代を迎えますが、この辺は一気に飛ばして、次回は「五賢帝」の時代のお話をしたいと思います。