数あるアンティークコインの中で、総合ランキング「ナンバー1」と言っても過言ではない、イギリス5ギニー金貨のお話をしたいと思います。
ギニーに関しては専門家も多く、私の知識など大したことありませんが、少しまとめてみたいと思います。
まずは、5ギニー金貨が存在している皇帝は以下の通りです。
1660~1685年 チャールズ2世
1685~1688年 ジェームズ2世
1689~1694年 ウィリアム3世&メアリー2世
1689~1702年 ウィリアム3世
1702~1714年 アン女王
1714~1727年 ジョージ1世
1727~1760年 ジョージ2世
1760~1820年 ジョージ3世(試鋳貨のみ)
一人ずつ詳しく見ていきましょう。
チャールズ2世
当時、イングランドは「清教徒革命」により混乱し、王位が空位の時代が続いていましたが、このチャールズ2世が「王政復古」を果たし、再度王政が続いていくこととなります。
チャールズ2世は、その王の力を誇示するために、それまでに発行されていたノーブル、ソブリン、クラウン、ユナイト、リアル、エンゼル、ローレルなどの金貨を統一するために「ギニー金貨」を発行しました。アフリカのギニアで発掘された金を使用していたことから「ギニー」と名付けられたと言われています。
最初のギニー金貨で、当然ながらギニーの中で最も古い金貨ですので、もちろん人気は高いのですが、発行年度が長い(約16年)ため、そこそこ枚数がございます。その為、ギニーの中で最も高額という印象まではありません。
チャールズ2世の5ギニーは5種類あり、ヤングタイプとオールドタイプ、それから象ありと象なしタイプがございます。
ヤングタイプは肖像の下が尖っていて、オールドタイプは肖像の下が丸みを帯びています。「象」にも背中に城が乗っているタイプと乗っていないタイプがございます。
たくさん種類があると何か難しそうですが、象アリの方が10%増しくらいと思っておいて頂ければ良いかと思います。
ジェームス2世
チャールズ2世の後に皇帝となるのが、「弟」ジェームス2世です。ジェームズ2世のギニーはわずか3年ほどしか発行されていないので、枚数が少なく非常に希少性が高いです。希少性に関してはジョージ1世についでNo.2と言えます(AU以上の鑑定枚数が前年度合計50枚ほど)
こちらも象ありと象なしがございます。象アリは最近めっきり見ないですね。
この時代は宗教色がとにかく強い時代でしたが、ジェームス2世はバリバリの「カトリック教徒」でした。
ウィリアム&メアリー
そしてカトリック教徒のジェームス2世を追い出す形で皇帝となるのがウィリアム3世とその妻メアリー夫人となります。夫婦の共同統治は非常に珍しく、夫婦が揃って描かれているギニーは非常に人気があります。個人的には人気ラニング2位のコインです!発行年も4年ほどしかなく、結構な高額で取引されています。
こちらも象アリと象なしがございます。
ウィリアム3世
メアリー夫人が亡くなったことにより、単独統治の時代に移行します。1699年・1700年のヤングタイプと1701年のオールドタイプ(通称Fine Works)と呼ばれる超有名コインがございます。
1701年のFine Worksは5ギニーの中でも最も美しいと言われている彫りの深いコインです。まだ私も一度も手にしたことがないので、是非一度見てみたいコインのひとつです。ですが、意外に枚数があり、そこまで高価ではありません。1699年と1700年のヤングタイプの方が出てこないと思います。
長くなりましたので、続きはまた次回にしたいと思います。